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Chick Corea (チック・コリア)/Now He sings,now he sobs(ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス)
Now He sings,now he sobs Transcription(テーマとアドリブ・コピー)途中まで(MIDIデータ) 
Now He sings,now he sobs Transcription(テーマとアドリブ・コピー)途中まで+Ending( PDF書類 ) now_he_sings_now_he_sobs.pdf へのリンク
このアルバムを初めて聴いたのは、高校1年のとき、鮫ちゃんという友人の家でした。1曲目(Stepa-What was)の出だしからショックを受け、このように自由なハーモニー、フレーズの展開はどういう発想のもとにおこなうのだろうか,新しいスゥイング感、強力なサイド・メン(ミロスラフ・ヴィトウス、ロイ・ヘインズ)高校時代はこのアルバムを何度も聴いていました。このアルバムではピアノ・トリオ、ピアノ・テクニックの様々な新しい手法が出てきて、レコード(その頃はCDはありません)を流しながら、自分でピアノを弾き、いろいろ研究しました。このアルバムの中でもこのNow He sings,now he sobsという曲は僕のお気に入りの曲です。さてこの曲のついての分析をしてみようと思います。イントロと呼ぶにはもったいなく1st Theme(テーマ、主題)と呼んだ方がよい導入部、この部分の主音、あるいはTonal Center音(曲の中心となる音)はB音と思われます。最初のモチーフ(B Aeorian Scaleで出来ていると思われます)は増4度進行メロディの動きが印象的です。

B Aeorian Scale

第3小節目の分数コードは普通の分数コード(転回形の分数コード)ではなく、スケールから作られる分数コードだと僕は考えています。多分E7、G7、Bb7、Db7どれかのコンビネーション・ディミニッシュ・スケールから考えていると僕は考えているのですが…。
 
E Combination of Diminished Scale
分数コードG/Ab
イントロの12小節目だけではなく、ここでのVoicingの基礎となっているのが、4度構成を基本とした和音です。通常のコードは元となる音(ルート音)から3度構成で上に積み上げているものなのですが、4度構成の和音(Voicing in 4th)は設定されたスケールの音を元となる音から4度で積み上げる和音となります。簡単な例をあげてみると、アドリブセクションの冒頭に現れるピアノの左手のVoicingです。

この部分はB Dorian Scaleで構成されています。このスケールの音を使用した4度構成の和音で左手はDorian Scaleのサウンドを提供しています。

B Dorian Scale  
Voicing in 4th
このVoing in 4thで4声以上のVoicingをおこなう場合、上手く4度で出来る場合もありますが、構成音間の不協和音(b9th等による)で問題が生じる場合もあります。その場合は3度構成の音も含ませながらVoicingします。12小節目などその手法を取り入れています。

この譜例のサウンド
導入部(イントロ?)から3拍子のリズムになり、B Phrygianのサウンドが提供されます。

ここのコード・パターンは基本的なモードのコード・パターンで、モードのトニック・コードとそのモードの特徴を提供できるキャラクタリスティック・コードの繰り返しパターンを使用しています。


テーマは非常に綺麗なメロディです。テーマの最初の部分は面白い手法を使っています。右手のメロデイの元となるスケールはB Aeorian Scaleで、左手で提供してるサウンドは引き続き、B Phrygian Scaleを提供しています。このように同時に違うモードサウンドを提供する曲をポリ・モーダルの曲と呼んでいます。この手法はいかにお互いのサウンドをバッティングさせないかがポイントとなります。ここでのポイントは右手のC#音と左手のC音とを同時に出さないことです。

様々なテクニックが使われていますが、最初のメロディに戻る前にコードのコンスタント・ストラクチュア・テクニックをターン・アラウンドとして使っているのも面白い部分です。ターン・アラウンドとは次のコーラスや、同じセクションが繰り返されるときに単調さを避けるためにコード進行に変化をつけるテクニックです。曲中でもアドリブでもよくつかわれるテクニックなのですが、通常のコードを使用するのではなく、コンスタント・ストラクチュアというテクニックで連続した短3度下降で進行させています。

最後にエンディングも意表を突く展開になっているのでここに紹介します。


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