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Steely Dan(スティーリー・ダン)/Black Cow(ブラック・カウ)
Black Cowのコード進行(フル・コーラス)MIDIデータ 
Black Cowのコード進行(フル・コーラス)PDF書類  black_cow_steely_dan.pdf へのリンク 
 
若い時結構ジャズばかり聴き、あまりポップスに興味が無かったのですが、スティーリー・ダンを始めて聴いた時は凄く衝撃を受けました。
フレーズのカッコよさ、曲構成の面白さ、コー ド進行の意外性、オリジナリティ。それまでポップスなんて簡単なコード、単純なメロディなどとバカにしていたのですが(今となっては恥ずかしい限りです)俄然興味を持ち、曲の分析 を始めました。
これが非常に難しく、大変苦労しました。なぜこのコードへ進行するのだろう?とかなぜこのフレーズが突然現れるのだろう?等いろいろ勉強になりました。
このBlack Cowという曲はAja(エイジャ)というアルバムの1曲目に入っています。プレーヤーが素晴らしく(このアルバムには素晴らしいプレーヤーが多く参加しています)ベースのチャック・レ イニーもご機嫌なノリを出しています。最後にテナーサックスのソロが入っていますが、多分トム・スコットではないか思います。
さて曲構成ですが大きく分けるとA(PDF書類では、リハ ーサル・レターのAB)B(PDF書類では、リハーサル・レターのC)、の2つのセクションで構成されています。イントロの雰囲気を引き継いだAセクションはKey of Cを基本としますが繰 り返して戻る前のコードはEbMaj7でこのコードからC7に戻る落差感が素晴らしいです。
一応の分析としては、このEbMajor7はKey of Cでモーダル・インターチェンジ・コードである bIIIMajor7なので繋がることは繋がるのですが、意外性があり面白いです。小節数も変則で7小節(リハーサル・レターA)でくりかえされ(リハーサル・レターB)この部分も意外性がありま す。コード進行ではまずA7、これはDm7へ進行するセカンダリー・ドミナントなのですが、次のコードはDm7のサウンドを少し変えた(リハモナイズした)分数コードAm7/Dになって います。
この分数コードはドミナント7thsus4の時によく用いられますが、マイナー7thコードもテンション音として11th(sus4音と同じ音)を持ち、マイナー7thコードのリハモナイズ・ コードとしても使用できます。
Dm7のコード・サウンド
Am7/D
のコード・サウンド

次も意外性のあるE7(#9)、このコードはKey of Cの関連マイナーであるAマイナーのドミナントであり、手前のDm7とつなげるとAマイナーにおけるサブ ドミナントからドミナント進行を感じさせます。
テンションとして#9thを使用しているので、ブルージーな雰囲気が出ます。このままAmへ進行するかと思ったら、EbMaj7へ進行します 。これはドミナント7thコードが持つ半音下へ進行する力を使用しています。
この時にE7のテンション音#9th(G音)が次のコードEbMaj7のコード・トーンG音と共通の音となっているので スムーズに進行していきます。

Bセクション(リハーサル・レターのC)へはBm7/E(E7sus4)を使用して進行します。
このコードはBセクションのキーであるAメジャーのV7susu4となり ます。最後のリフレイン部分でも使用されるBセクションの最初の4小節も気持ちの良いコード進行となっています。
元となるコード進行はAMaj7(IMajor7th)A7(IVへ進行するセカンダリ ー・ドミナント)D7(IV7、ブルースコードです!)AMajor7thと私は思います。
2つ目と3つ目のドミナント・コードをsus4化(Em7/A,CMajor7/Dは両方ともドミナント7thsus4と考え られる)することにより、明るい雰囲気を与えてくれます。
 
 

4小節目から5小節目にはGMajor7(Key of AでbVIIMajor7)をパッシング・コードとして使用し、F#m7(このキーでのVIm7)に つなげます。
5小節目の3拍目のコードはこのF#m7をリハモナイズしたコードと考えられ(僕はこのリハモナイズ・テクニックをハイブリッド・コードと呼んでいます)すこし雰囲気を変 えたかったのかな?と思っています。
6小節目は7小節目はかなりトリッキーなコード進行です。C#m7/EはE6と記しても良いとは思うのですが、サウンドがAセクションにも出てきたマイ ナーのサブドミナントからドミナント進行(C#m7はKey of G#mではIVm7,D#7(#9)はV7)を感じさせます。
7小節目の最初のコードはE7をsus4化したものでしょう。C#7は次に続く F#m7(このキーでのVIm7)のセカンダリー・ドミナントと考えられます。テンション音がかなり効いています。この2小節はE音を起点に違うリハモナイズをおこなっているように感じま す。
8小節目はリズムに合わせダイアトニック・コードを使った進行です。(VIm7,V7,IVMaj7)次の小節は多分元となるコードはIV7だと思います(IVm7かもしれません)これもsus4化 することにより、サウンドをガラッと変えています。
この先はAセクションに戻るための進行となります。まずはコードを短3度あげ、(この方法は昔からよく使われていたIIm7からIVm7 への進行の延長上にあると思います)次の5度進行してBb、Cへ向かうため平行進行するBを使っています。
エレピのソロセクションはモード手法でアプローチしています。つかうモード はミクソリディアンです。
途中ジャズのセカンド・リフ的な概念でフレーズが2か所入っています。Bbm7やFm7におけるメロディ音(通常の曲ではアボイド・ノートとなる音)などはモー ド的なサウンドを出しています。
かなり話が長くなっているので、ここらへんでおしまいにしますが、この曲も含めてSteely Danのアルバムは今でも僕の宝物になっています。
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