どちらのコード進行も同じ調号を持つFメジャー・キーへBb(ピボット・コード)を介し転調します。
BbはDマイナーにおいてbVI、FメジャーではIVコードとなり次のAm7(Key of FのIIIm7)曲調に変化が付きます。
Aセクションの7小節目や1カッコの7小節目は本来はBb-C7というコード・パターンが考えられますが、ここでは変化をつけるためBb-Am7/Cというコード・パターンになっています。ただホルンのカウンター・メロディはここではF音を持続させているので、元のサウンドとしてはF/C、Am7の7度音であるG音を考慮してみるとFMaj7(9)/Cというコードも考えられます。
その次のコードC7sus4ではピアノはかなり低い音域でルート音を弾いています。これは前の小節のAm7/CとC音が続くため変化を持たせるためにそのように弾いていると私は思います。
BセクションではAセクション同様のコード・パターンを2拍ずつのリズムで演奏させることにより変化を出しています。4小節目に現れるコードはトニック・コードのsus4です。似たようなコード・パターンにIV/5th-I(このキーでいえばBb/F-F)があります。
トニックコードのsus4からトニックコード
サブドミナントサブドミナントコード(最下声部がトニック音)からトニックコード
Bセクションの8小節目、短いピアノの間奏の前にこの曲の歌中で唯一のセカンダリー・ドミナントG7(このキーでのV7/V)が現れます。
間奏前のアクセントとして効果的です。この短い間奏でのピアノのフレーズはA Harmonic minor Perfect5th belowというスケールを使用したフレーズです。
このスケールはA7(b9)というコードの時によく使用されるスケールで次に来るDmというコードにスムーズに進行できるスケールです。
A Harmonic minor Perfect 5th Below
2カッコの最初のコードは意表をついてEbから始まります。EbコードはKey of FでのbVII、コード・スケールはリディアン・スケールをとりますが、そのサウンドを強調してホルンはテンション#11音(A音)でスタートします。
またこのコードをピボット・コードとしてKey of Bbに転調し、間奏の最後でDマイナーのキーへ戻ります。