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LEON RUSSELL(レオン・ラッセル)/A Song for You(ア・ソング・フォー・ユー)

A Song for Youのコード進行(フル・コーラス)MIDIデータ 
A Song for Youのコード進行(フル・コーラス)PDF書類  a_song_for_you.pdf へのリンク
 
レオン・ラッセルの有名なバラード曲です。カーペンターズがカバーしているヴァージョンの方が有名です。
僕個人としてはレオンの渋みのある声色がマッチしたこのオリジナルの方が好きです。
曲はDマイナーを基調とし、同じ調号を持つFメジャーへの転調を上手く使いながら出来上がっています。歌中のコード進行は目立った展開はなく、淡々と曲を進行させています。
リハーサル・レターAの最初の4小節、1カッコの最初の4小節は非常に似た半音階で下降するコード進行(Bセクションでも同様のコード進行があらわれます)ですが、Aの最初のDm-C#dim-F/CではC#dimがドミナント機能を持つのに対し、1カッコの最初はDm-C#+-F/Cというコード進行です。
両方ともラインクリシェをモチーフにしたコード進行で展開されていますが、少し変化させてアクセントをつけています。

   
   
※Dm(Major7)ではライン・クリシェが最下声部に配置されるとき、
Root音とMjor7th音で不協和音が生じるためRoot音を省略する場合が多い。
その時コードの表記がDm(Major7)/C#ではなく,C#+と記されることがしばしばある。
   
    

どちらのコード進行も同じ調号を持つFメジャー・キーへBb(ピボット・コード)を介し転調します。
BbはDマイナーにおいてbVI、FメジャーではIVコードとなり次のAm7(Key of FのIIIm7)曲調に変化が付きます。
Aセクションの7小節目や1カッコの7小節目は本来はBb-C7というコード・パターンが考えられますが、ここでは変化をつけるためBb-Am7/Cというコード・パターンになっています。ただホルンのカウンター・メロディはここではF音を持続させているので、元のサウンドとしてはF/C、Am7の7度音であるG音を考慮してみるとFMaj7(9)/Cというコードも考えられます。
その次のコードC7sus4ではピアノはかなり低い音域でルート音を弾いています。これは前の小節のAm7/CとC音が続くため変化を持たせるためにそのように弾いていると私は思います。
BセクションではAセクション同様のコード・パターンを2拍ずつのリズムで演奏させることにより変化を出しています。4小節目に現れるコードはトニック・コードのsus4です。似たようなコード・パターンにIV/5th-I(このキーでいえばBb/F-F)があります。

トニックコードのsus4からトニックコード
サブドミナントサブドミナントコード(最下声部がトニック音)からトニックコード

Bセクションの8小節目、短いピアノの間奏の前にこの曲の歌中で唯一のセカンダリー・ドミナントG7(このキーでのV7/V)が現れます。
間奏前のアクセントとして効果的です。この短い間奏でのピアノのフレーズはA Harmonic minor Perfect5th belowというスケールを使用したフレーズです。
このスケールはA7(b9)というコードの時によく使用されるスケールで次に来るDmというコードにスムーズに進行できるスケールです。

A Harmonic minor Perfect 5th Below
 
 

2カッコの最初のコードは意表をついてEbから始まります。EbコードはKey of FでのbVII、コード・スケールはリディアン・スケールをとりますが、そのサウンドを強調してホルンはテンション#11音(A音)でスタートします。
またこのコードをピボット・コードとしてKey of Bbに転調し、間奏の最後でDマイナーのキーへ戻ります。

2カッコのコード進行のアナライズ

コーダの4小節目も2カッコ同様にEbから入りますが、それほどの転調感も感じられないのでキーはFのままのように思います。面白い部分は最後の部分でトニックのままでなくドミナント・コード(C)で終わらせているところです。
トニックで終わらないポップスはなかなかお目にかかれませんので、その意味においてこの曲は珍しい曲の一つです。
 

コーダ・セクション最後の6小節のコード進行のアナライズ

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