非常に聴きやすい曲です。メロディが印象的なバラードという雰囲気を感じさせます。作曲的な観点から見ると、AセクションBセクションというシンプルな構成をしており、Aセクションではペダル・ポイントを、Bセクションではライン・クリシェを効果的に使用しています。ペダル・ポイントとはコード進行とは関係なくその(曲あるいはセクションの)キーの第1音(トニック・ペダルといいます)あるいは第5音(ドミナント・ペダルといいます)をベース・プレイヤー等が演奏するテクニック、ラインクリシェとは同一コードが続く時、コードに変化をつけるテクニックです。ペダル・ポイントの注意しなければいけないところは、どこでペダルを止めるか、ということだと思います。ここではセクションの第7小節目のサブドミナント・マイナー(IVm)でペダルを終了しています。決してサブドミナント・マイナーだから終了しているわけではありません。というのはその前にも同じコードが現れ、そのときにはペダルポイントが使用されています。僕はこの時点でペダルを止めたことが曲としてのアクセントになっていると思います。サビ(Bセクション)はいわゆる泣きのセクションになっています。その雰囲気を作るためここではラインクリシェ・テクニックを使用しています。ラインクリシェを使用することにより、よりマイナー感が強く現れます。 |