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Don't you worry 'bout a thing(ドント・ユー・ウォーリー・ァバウト・ア・シング)/Stevie Wonder(スティービー・ワンダー)


Don't you worry 'bout a thingのコード進行(Intro4小節のみ、1コーラス)MIDIデータ 
Don't you worry 'bout a thingのコード進行(Intro4小節のみ、1コーラス)PDF書類  dont_you_worry_bout_a_thing.pdf へのリンク

スティービーのラテン色の強い曲です。
曲の出だしはマイナーのライン・クリシェから始まります。ライン・クリシェはラテン一般の楽曲で多用されています。

ラテンでのライン・クリシェ使用例

ここではEbマイナー・キーでの第1音(Eb)-Major7th音(D)ーb7th音(Db)-6th音(C)と進行するライン・クリシェを使用しています。曲構成はABABCD形式で、概要ではEbマイナー・キーとGbメジャー・キーという同じ調号を持つマイナーとメジャーを行き来する曲です。
Aセクション(PDF書類でもリハーサル・レターA)は、イントロ同様Ebマイナー・キーのライン・クリシェから始まり、II-Vパターン(Dbm7-Gb7)の力を借り、Cbメジャーへ転調します。
 

(Aの4小節目、8小節目)EbマイナーとCbメジャーの関係はEbを1度とするとCbがb6度(短6度)の関係にあり、マイナー曲においてよく使用される進行(Im-bVIMajor7th)です。しかしこの場合直前にII-Vパターンがあるので、Cbメジャーへ転調していると私は考えます。

PopsでよくみられるImからbVIMajor7thへの進行 
※ImからbVIMajorに進行する場合このようにbVII(ここではDbトライアド)を経過的コードとして使用する場合が多い。 

このキーから元のキー(Ebマイナー・キー)へ戻るためE7というコードをピボット・コードとして用いています。ピボット・コードとは前のキーと後ろのキーそれぞれに機能を持っているコードで、E7はCbメジャーではIV7という機能、Ebマイナー・キーではsubV7 of Im(Imへ進行するドミナントV7 of I、ここではBb7の代理のドミナント・コード)、また次のBセクション(Gbメジャー・キー)へ進行するbVII7(サブドミナント・マイナー機能)を併せ持ったコードです。

Key of Cb Major IMajor7th to IV7
 
   
IV7  
 
   
Key of EbMinor
(下のスケールはナチュラル・マイナースケールを 提示しています)
subV7/I to Im
 
subV7/I  
 
   
Key of GbMajor bVII7 to I
 
bVII7  
 
   

Bセクションで面白い部分は2小節目から4小節目にかけての進行です。
2小節目のGb7はCbMaj7(IVMajor7th)へ進行するセカンダリー・ドミナントと呼ばれるドミナント・コード(V7 of IV)です。
このコードがおかれる場合次のコードにすぐCbMaj7が現れるべきなのですが、Bbmというコードを挟んで4小節目にCbMajor7thが現れます。
このように一つコードを飛ばして出てくる現象はII-Vパターンが連続して出てくる場合にはありますが、このようにII-Vパターンを使わない例は稀です。(私はポップスでは見たことがありません)


通常セカンダリー・ドミナントは次のコードへ解決する(II-Vパターンが連続する場合は次のm7コードを飛び越える場合もある) 
 
この曲でのセカンダリー・ドミナント(V7 of IV)
 
[参考例] II-Vパターンの連続による飛び越し

Cセクション(PDF書類での2ndEnding)は理論用語で「掛留(suspension)」というテクニックをアイディアとして用いています。
掛留は対位法という理論の中に出てきますが、ある協和音の1つの音が次の和音に継続して使用され(そのまま引き継がれ)不協和になるが、その和音内で協和に解決するテクニックです。
ポピュラー音楽ではドミナント7th(sus4)コードから同じルート音のドミナント7th、
トニック(sus4)コードからトニックコードへの進行としてよく現れます。
ここではそのテクニックを連続して使用しています。またII-Vパターンの連続からも解釈できます。最初のコードをDbm7/Gbと解釈し、Dbm7 Gb7から半音下へ連続して進行し、Db7で5度進行し、キーのトニックであるGbへ解決するという考え方もできます。

   
Cセクションでの掛留(suspension)
   
 
 
II-Vパターンでの解釈
 
  

Dセクション(PDF書類ではC)ではEbマイナー・キーに戻りますが、3,4小節目にEMajor7thコードを使用しています。このコードはEbマイナー・キーではbIIMajor7thというフリジアン・モード色の強いコードでマイナー・サウンドに変化をつけています。

   
   
 
Eb Phrygian Scale   
 


参考資料
Key of Eb Minorのダイアトニック・コード
Key of Cb Majorのダイアトニック・コード
Key of Gb Majorのダイアトニック・コード
Key of Eb Minorのトニック、サブドミナント、ドミナント・コード
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