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Alice in Wonderland
オリジナル曲 alice_in_wonderland_original.pdf へのリンク
リハモナイズ曲 alice_reharmo.pdf へのリンク
オリジナル曲とリハモナイズ曲の比較  alice_original_reharmo.pdf へのリンク 

ビル・エヴァンスやオスカー・ピーターソンの演奏で有名な「Alice in Wonderland」です。まずイントロ-Aセクション(alice_original_reharmo.pdfファイル)にAメロを使いルバートで演奏してみました。冒頭のメロディがコードの11thに当たるのでポリ・コード的にヴォイシングしました。
Dm7のテンション音 
       
       
       
 
   
3小節目のオリジナルコードはトニック・コードであるCMaj7(I Maj7)、これを同じトニック・コードであるEm7(IIIm7)に変えてみました。Em7からF Maj7のフリジアン的なコード進行を付けたいと思ったからです。ただEm7に変えた場合3拍目のC音はアボイド・ノートになるので、この音を次のメロディに対しての装飾音符的に処理しています。
  Key of C
E m7(III m7)のコードスケール
   
9小節目のDm7は1拍ずつコードに表情を付けるためにライン・クリシェを使用しました。
 
11小節目からの4小節間はG7に向かい異なるコード・パターンを使用しています。オリジナルコードであるEm7の代わりに同じトニック・コードであるAm7(VIm7)からスタートさせ、飛び越しのII-Vパターンを使ってみました。
  Key of Cのトニック、ドミナント、サブドミナント機能
   
16小節目-Bセクション(alice_original_reharmo.pdfファイル)からテンポ提示の為ペダル・ポイントを使用したコード・パターンを作ってみました。ペダル・ポイントはコード進行に関係なく、キーのトニック音(トニック・ペダル)あるいはドミナント音(ドミナント・ペダル)をベースやピアノの左手で演奏し、コードとの関係に緊張感を出します。
 
ペダル・ポイント後-Cセクション(alice_original_reharmo.pdfファイル)ではメロディに入ってもよいのですが少し間をとって、キーを変えまた元のキーへ戻る手法を使いました。キーを変える出だしはマイナー7thコードの短3度上への跳躍です。通常のコード進行でもマイナー7thコードの短3度上への跳躍はIIm7からIVm7への跳躍としてよく現われます。この手法を使いKey of CからKey of Eb、言い換えるとFドリアン・サウンドに転調させました。次のAbm7も短3度上への跳躍です。ここでは次のEMaj7(#11)と組み合わせてAbエオリアン・サウンド(Eリディアン・サウンド)を出すことにしました。元のキーにつなげるためEbm7を使用し、Dm7へ半音上から解決させました。
 
Dセクション(alice_original_reharmo.pdfファイル)からテーマ(メロディ)に入ります。コード進行は基本的にはAセクション(冒頭のルバート部分)とかわりませんが、細かい部分に変化を付けました。Dセクションの8小節目はオリジナルのコード進行Eb7は次のDm7に進行するセカンダリ・ドミナントのサブスティトュート・ドミナントですが、このドミナントの代わりにサブドミナント・マイナー機能を持つbVII7(Bb7)に変えました。同様に12小節目はAm7の代わりにDm7に進行するセカンダリ・ドミナントのサブスティトュート・ドミナントEb7を付けてみました。
  Key of C subV7/IIのコード・スケール
  Key of C bVII7のコード・スケール
   
Aメロの最後の部分はオリジナルではターン・アラウンドを使用しています。ここにイントロで使った、キーを変えまた元のキーへ戻る手法を使いました。今回はbVIMaj7を起点にキーを変えていきました。
Dbミクソリディアン・スケール
Aリディアン・スケール
 
2回目のAセクションalice_original_reharmo.pdfファイルでのFではターゲット・コードに向けてリハモナイズをおこなう手法を1箇所使いました。Fの9から10小節目です。ターゲット・コードを10小節目のAm7と決め、II-Vパターンを使いリハモナイズしました。
 
サビに入る部分はサビの冒頭部分を転回形の分数コードにしたため、そのコードD/F#につなげるようサブドミナント・コードであるFmに変えました。
 
サビの最初の4小節はワルツ・フォー・デビーのように転回形の分数コードを使いました。転回形の分数コードとはベース音がコードの構成音となる分数コードです。基本的にはドミナントの5度進行を意識して変えてみました。4小節目のCm6コードはF7コードと同じトライ・トーン(3全音)を持つのでF7の代理コードとして使ってみました。
ドミナント・コードはルート音が完全5度下のコードに進行しやすい。(Dominant Resolutionと呼びます)
 
サビの5小節目からはターゲット・コードを決め、コードを変えています。ここではターゲット・コードを8小節目にFMaj7に決めbIIIMaj7を使いコードを上行させました。
 
サビの9小節目からは10小節目のセカンダリー・ドミナント(V7/III)をIVMaj7に12小節目のセカンダリー・ドミナント(V7/II)もダイアトニック・コードであるAm7(VIm7)に変えダイアトニック感を出してみました。
 
サビの最後の4小節はAセクションの冒頭のコードをターゲット・コードにしてコードを付けてみました。ここもイントロやターン・アラウンド部分同様、調性(キー)を変化させながら最後のAセクションにつなげてみました。
ここでの調性の変え方の基本はピボット・コード・モデュレーションの手法を使っています。
マイナー7thコードとそのコードの11th音がベース音とでできる分数コードはドミナント7thサス4と同じコード・サウンドとなる。
   
       
曲のエンディングとして最後のトニック部分をIIIm7(b5)-V7/II-IIm7-V7/I等のコード進行に変え、その進行をアドリブ等で繰り返し曲を伸ばす方法があります。
オリジナルの曲の長さ
IIIm7(b5)-V7/II-IIm7-V7/Iのコード進行でエンディングを伸ばしていく例
 
この曲のエンディングでは上例のような手法でエンディングを使っています。ただコード進行についてはイントロ同様色々なキーを変遷する形にしました。通常の最後の2小節を変えるやり方をせず、少し手前からエンディングのアドリブ・セクションに入りました。ここでもAbMaj7(bVIMaj7)を起点にしてキーを変えています。
 
2小節ではなく、最後の4小節前からアドリブ・セクションに入りました。
 
アドリブ・セクションの前半と後半でコード進行を少し変えています。(それほどの違いはありません)
       
何かわからない部分やご質問があればどうぞ 

 
 
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